■ある日突然痛み出した首

2005年1月

「肩こり症」ではない私にとって、その痛みはよくわからず、
首から右肩、が痛くなり始めた当初は特に重く考える事もなく
湿布薬もなしにて、いつかは自然に消えるだろうと思っていた
のが、次第に上腕そして右手指先(中指が特に)に続く線が痛く、
なり始め、日に日に寝るにも苦しくなるほどの「激痛」になる
にあたって湿布薬から試し始めることにし、そしてかねてから
気になっていた体の歪みからくるものと思い、2005年1月中ごろ
より鍼治療を始め、軽いカイロもお願いしつつ2週間が経つ。

ところが一向に改善しない痛み。治るどころか右手はついに
痺れだし、寝る時もどんな体勢をとっても痛く、痛み疲れて
やっと寝る、また痛みで起きてしまう、そんな毎日となる。

■病院へ

2005年1月30日

鍼で一切の効果が見られず、ネットで調べてみる。
自分の症状をキーワードにしてからたどり着いた言葉『ヘルニア』。

家族で行きつけの病院があった。そこはいわゆる県立で、当然
地域では最大級の総合病院を訪れる。
整形外科外来で簡単な診断で頚椎の椎間板ヘルニアの恐れが
あるとの話。。やはり。。。
早速MRI検査の予定を入れてもらう。

2005年2月1日 MRI検査
翌2日  結果診断

現状として生活上に不便が出ていないので「牽引」をメインと
したリハビリでしばらく様子を見る事となる。
まだ、痺れがひどくなったり、ヘルニアそのものが悪化した為
に中枢の神経が侵されるようになったらもう一度来院下さい、
その程度の症状であった。
リハビリについては自宅近くの医院の整形外科でも行っている
所があるとの事、紹介状を書いて頂いてそちらで行う事とする。

※痛み止めの薬について
私のこのケースにおいてはこれらの薬がが処方された

・ロキソニン錠(消炎・鎮痛)
・ミオナール錠(筋肉の緊張を緩める)
・ムコスタ錠(胃薬)
・バンコミン錠 (抹消神経障害改善)

■リハビリ期

2005年2月上旬より約ひと月間

牽引を午前中の時間帯にほぼ毎日、温熱療法を併用。
病院での滞在時間そのものは待ち時間にもよるがほとんど30分以内。
気分的なものが大きいのか多少は楽になるのだが、症状として
一行に改善の方向に向かっているようではなかった。
寝る時が一番の地獄の時間。
しかし、処方されたロキソニンが体にあったのか痛み止めとして
充分機能し、寝る時の痛みは相当に楽になった。
しかしもともと寝相の悪い私は起床時の格好によっては痺れが
ひどすぎて起きるのに一苦労する。

薬でほとんど痛みをコントロール出来ていた時代。
基本的に食事後の服用とのことなのだが、痛みが少ないときは
控えめにして、むしろ寝る直前に服用して起床時の痛みを軽減
する、そんな風に使っていた。

この時期、ほとんどが在宅の状態だったため、なるべく体を動かす
ように息子を連れて午前中は外をよく歩き、その際になるべく姿勢を
正しく、体をほぐすように運動していた。

■くしゃみ・咳が怖い

痛みのコントロール。。薬に慣れてきたのか、悪化したのかは
わからない。2月中ごろから痛みが戻り始める。
特に怖かったのが「くしゃみ」。私のくしゃみは家族がびっくり
するくらいの大きな大げさなくしゃみで体全身でくしゃみする。
何気ないそのいつものくしゃみで全身に大電流が流れた。
腰が砕けるようなその感覚が忘れられず、この日以降、くしゃみ
は無理やり抑えるようになる。
次に咳が出始めた。咳は抑えきれない。咳をする度に首に負担が
かかってはみ出ているヘルニアがさらに外に出てきてしまう、と
いうイメージが頭をよぎって仕方がない。

よりによってインフルエンザが流行り始めて子供達も風邪気味だ。

■右手と足が…

2月最終週あたりから、胡坐の姿勢から立ち上がるのが苦労に
なってきた。筋力がなくなったかのよう。
咳が出るたびに右手全体が痺れ一瞬モノがにぎれなくなる。
寝室のある2階から1階にあるトイレまで降りるのに手すりが
ないと降りにくい。
朝の息子との散歩も右足を少し引きずるようになる。
どうも「走る」事ができなくなっているようだ。

■歩行困難と右手の麻痺

2005年2月28日

右手で財布の中の小銭が出せない。走り出す息子を
追いかけられない。文字が書けない。。。
幸いPCのキーボードは一本指でも打てるため治療の様々な可能性
と病院の研究を始める。同じような症例、同様の手術の例、専門医、
闘病記、費用。。

しかし今更な遅すぎる調査。。
藁にもすがる気持ち。
何とかして自分を慰めたい。


2005年3月2日

生活に支障が出始めた以上、怖かろうが何だろうが病院へ。

■入院・手術の勧め

前回診てもらった医師による再診。
前回の診断から症状が大きく進んでおり、状況が全く変わっている。

・右手の運動障害
・歩行困難
・反射の異常
・上体から下肢にかけての麻痺症状

即日の入院を勧められる。(ベッドの用意がすぐ出来る状態)
MRI検査も予約を必要とせず優先的に撮影の手続きが取られる。
家族を交えての話が必要との事(入院と手術に関して)至急の連絡を。
車運転の禁止(追突されたら首から下の完全麻痺も覚悟せよ)
手術への覚悟をしなさい。

軒並みいきなりいろんな事を言われ、今後の事や、今現在
抱えている問題、家族の事、何もかもが手術への恐怖なんだか
とないまぜになって頭が混乱する。

「今日入院するか?」

の問いに一日一晩待って欲しい事を告げ、MRIの結果をあわせて
改めての診察をお願いする。
これも今回の主治医となる医師が特別に時間を早朝に割いて下さった。


まずは妻へ連絡。入院の必要性を知らせる。

セカンドオピニオンを取りたい

残る時間はこの日の午後のみ。

入院してから他病院をあたるという手もあろうか。。

この時点で一番心配だった事は、この病院でのこの症例、手術例
患者の取り扱いの多さ、要は経験度数が高い、本当に信頼できる
ものなのか。。。
そして、もっと軽い手術で済むはずのものなら、日本全国
どこへでも行って本当に納得して手術を受けたい。。

手術はしなくてはならないのは間違いない。
しかしこの恐怖感をとにかく取り除くことができる材料が少し
でも多く欲しかった。。

ところがもう既に体のいろんな機能が急激に落ち始めて、動く
意思さえそがれ始め、その日、2日深夜。ほぼ心は確定していた。
じっくり相談しよう。わからないことは全て聞いて、不安と恐怖
を取り除いてもらおう。。

そんな気持ちにまで落ち着く事ができたのは数多くの「闘病記」
に出逢ったからであった。

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